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全国の銀座通りの発祥である中央通りの一筋西側に「金春通り」があります。「金春」と書いて《こんぱる》と読む珍しい名称です。長さおよそ130メートルほどの極めて普通の裏通りですが、江戸情緒を残す「銀座の最後の砦」と言われている由緒ある通りです。煌びやかな表通りとは違った表情の垣間見られる、ちょっとディープな金春通りをご紹介いたします。
凝縮した金春通り
江戸時代の香りを
名前の由来
金春通り
それは江戸時代に能楽の金春流の屋敷があったことに由来しています。
江戸時代、幕府直属の能役者として土地や俸禄を与えられていた家柄に、金春・観世・宝生・金剛の四家があり、最も歴史のある金春家は
室町時代以来繁栄し、江戸時代初期から観世太夫とともに江戸で能を演じていた名家で、屋敷なき後も、この地にその名を留めているのです。



歴史の名残り
明治になり江戸の大火を恐れた明治政府は、銀座に延べ約10kmに亘る稀有で壮大な煉瓦街を造り上げます。
残念ながら煉瓦街は関東大震災で消失しましたが、昭和63年に幻と言われた煉瓦街遺構が発掘され江戸東京博物館に収蔵されました。
この遺構が、かつての金春屋敷跡内で発掘されたことを重要視し、あえて収蔵遺構の一部をゆかりの金春通りに建立したのが、写真にある「銀座金春通り煉瓦遺構の碑」なのです。